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家田足穂のエキサイト・ブログ

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2011年 11月 16日

(5)《メサイア》の音楽とその楽曲編成 1

 

    [ ザ・ダブリン・ジャーナル ] 1742 年 4 月 17 日の記事


今週火曜日(13日)にヘンデル氏の宗教的グランド・オラトリオ《メサイア》が、フィッシャンブル街のニュー・ミュージック・ホールで演奏された。最高の批評家たちもそれが、最も完成された音楽であることを認めている。《メサイア》が憧れを抱いて群れ集まった群衆に与えたこの上ない喜びは、言葉では言い尽くせない。高貴で威厳に満ちた感動的な歌詞につけられた音楽の崇高さと気品と優しさは、共に相たずさえて恍惚とした心と耳をとらえ、魅了した。

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第一部「旧約の預言とメシア降誕・良き羊飼いイエス」の楽曲編成

 第1曲 Sinfonia シンフォニア [序曲]

荘重なグラーヴェの響きに歌う者も聴く者も、旧約の預言者が語るメシアに関する預言を想い起こし、メシア降誕の喜びと良き羊飼いイエス、その受難から復活・昇天・全世界への福音宣教、そして終末における最後の審判へと想像力をかき立てられます。

第1楽曲群 メシアに関する第一の預言 [RA(レチタティーヴォ・アコンパニアート)/ A(アリ                     ア)/ C(コーラス)]

 第2曲「慰めよ、わたしの民を慰めよ」(バビロンからの解放の知らせ) テノール RA
 第3曲「谷はすべて身を起こし」(救いの道の準備の呼びかけ)     テノール A
 第4曲「主の栄光がこうして現れる」(主の栄光の現れの予告)     合  唱 C

第2楽曲群 メシアに関する第二の預言 [ RA / A / C ]

 第5曲「万軍の主はこう言われる」(新しい時代の到来)      バス   RA
 第6曲「彼の来る日にだれが身を支えうるか」(メシアの来る日)  ソプラノ A (アルト)       第7曲「彼はレビの子らを清め」(メシアを迎える心の準備の促し) 合  唱 C

第3楽曲群 メシアに関する第三の預言 [ R / A - C ]  

 第8曲「見よ、おとめが身ごもって」(メシアの受肉と生まれるメシアの名前)
                         アルトまたはコントラルトの R と 合唱 C
 第9曲「良い知らせをシオンに伝える者よ」(伝えられる「栄光の現れ」)
                         アルトまたはコントラルトの Aと 合唱 C

第4楽曲群 メシアに関する第四の預言 [ RA / A / C ]

 第10曲「見よ、闇は地を覆い」(主の栄光と救いの到来)       バス  RA
 第11曲「闇の中を歩く民は、大いなる光を見た」(主の栄光の輝き)  バス   A
 第12曲「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた」(来臨するメシアの姿の不思議)
                                   合 唱 C 
第13曲 ピファ (パストラル・シンフォニー)

 牧歌的シンフォニー 《ピファ》は、第一部を二つに分けるという非常に重要な効果を持つ美しい
 牧歌的な管弦楽曲です。

第5楽曲群 イエスの誕生・人となったメシアへの賛美 [ R / RA / R / RA / C ]

  第14a 曲「その地方で羊飼いたちが野宿しながら」(野宿する羊飼いたち)ソプラノ R
  第14b 曲「主の天使が近づき」(天使の接近と羊飼いたちの恐れ)    ソプラノ RA 
  第 15 曲「天使は言った」(メシアの降誕を告げる)         ソプラノ R
  第 16 曲「すると突然、この天使に天の大軍が加わり」 
                 (おびただしい天使の群れの賛美)   ソプラノ RA
  第 17 曲「いと高きところには栄光、神にあれ」(天上の賛美と地上の賛美の響き)
                                    合 唱 C

    
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エル・グレコ  イエスの降誕と羊飼いたちの歓び
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《いと高きところには栄光、神にあれ! 地には平和、御心にかなう人にあれ!》


第6楽曲群 メシア降誕の喜び  [ A ]

 第18曲「娘シオンよ、大いに踊れ」(喜びと平和の知らせ)       ソプラノ A

第7楽曲群 イエスの奇跡と福音宣教 [ R / A / C ] 

 第19曲「そのとき、見えない人の目が開き」(イエスの奇跡の数々) 
                            ソプラノまたはコントラルト R
 第20曲「主は羊飼いとして群れを養い」 (良き羊飼いイエスの優しさ) ソプラノ  A
第21曲「彼の軛は負いやすく、彼の荷は軽いからである」(イエスの福音)  合 唱  C

この楽曲群は、新約時代の良き羊飼いイエスの姿を浮かび上がらせ、その奇跡や福音のことばを心に染み透らせるようなものにする魅力を持っています。

そして、喜びに満ちあふれる、明るく快活な合唱第21曲で第一部は結ばれています。

by francesco1hen | 2011-11-16 12:55


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