家田足穂のエキサイト・ブログ

france1pen.exblog.jp
ブログトップ
2014年 10月 24日

キリストのイメージの変遷(5) 各時代のキリスト像

[ ローマ帝国時代 ]


[1] 記号で表わされるキリスト 

b0221219_20301311.jpg


キリストの頭文字の組み合わせ ΧΡΙ 記号的表象は、わたしたちの神についての知識や信仰によって、神のイメージの広がりを生みだすようです。


[ 2 ] 良い羊飼いイエス

b0221219_20354727.jpg


ローマ美術の借用ですが、良い羊飼いイエスは羊のために命を捨てます。しかも羊飼いは羊を知り、羊も羊飼いを知るという親密な関係をもっています。この優しい羊飼いイエスは、ローマ帝国時代の人々に圧倒的に慕われていたようです。


[ 3 ] パントクラトール(天地万物の支配者キリスト)

b0221219_20462483.jpg

「Αとωをともなう髭のあるイエス」 これはパントクラトールのすがたです。

b0221219_20534314.jpg

ローマ プデンツアーナ聖堂の「天上のエルサレムで弟子を従えたキリスト」 これも「パントクラトール」です。



[ ロマネスク時代 とゴシック時代 ]

[ 4 ] 「栄光の主キリスト」と「審判のキリスト」

b0221219_211659.jpg

スペイン サン・クリメンテ教会の偉大な「栄光の主キリスト」
西欧のゲルマン人は、パントクラトールをこのように表現しました。

b0221219_214829.jpg

ロマネスク時代の人々は、もう一つのキリスト像をもっていました。それは「最後の審判のキリスト」でした。



[ 5 ] 神人キリストと受難のキリスト

b0221219_2163450.jpg

「弟子たちと福音を説くイエス」
人々のなかで、人間となった神の子イエスは、人であると同時に神であることが強調されています。

b0221219_2193829.jpg

ジウンタ・ピサーノの「受難のキリスト」 以後の十字架像は、裸体の受難のキリスト像になります。



[ ルネサンス時代とバロック時代 ]

[ 6 ] 新約聖書のさまざまな場面

b0221219_21125198.jpg

ジョットの傑作といわれる「キリストの逮捕」

b0221219_21153459.jpg

マゾリーノの「ゴルゴタの丘の十字架のキリスト」



b0221219_21212121.jpg

ルーベンスの「十字架上でのキリストの死」

b0221219_21223651.jpg

ベラスケスの「十字架のキリスト」


ルネサンス時代もバロック時代も「最後の審判」の絵は描かれています。有名なものは、ジョット、ミケランジェロ、ルーベンスの「最後の審判」です。



                         *



各時代に人々はどのような神のイメージをもっていたか、ということをキリスト像をとおして見てきました。人々は見えない父である神を、キリストの造形的表現によって求めてきたとも考えられます。

それは聖書の良い羊飼いであるイエスの記述の最後のところで「わたしと父とは一つである」(ヨハネ10・30)といっています。また,別のときに「わたしを見るものは、父を見るのである」とも語っています。それでイエスのさまざまなイメージを見、確かめて、父である神のイメージを知り、信じることが出来ます。父である神のイメージは、聖書の記述や絵画彫刻で表わされた形をとおして知ることも出来ます。これがキリスト教美術の大きな役割になっていました。

各時代の色々なキリスト像をとおして、神のイメージを豊かに知ることができると思います。


                         *


ところで、現代の人々は、どのような「神のイメージ」をもっているのでしょうか。


キリスト教は《愛の宗教》といわれます。また、「神は愛である」ということもしばしば言われます。

「神の愛」はどのように表われるのでしょうか。神の最高の愛の現れは「キリストの十字架の受難」のすがたにおいて表われされました。このような意味から「十字架像」を見ることも必要ではないでしょうか。



                      *   *   *
[PR]

by francesco1hen | 2014-10-24 22:39 | Comments(0)


<< キリストのイメージの変遷(6)...      キリストのイメージの変遷(4)... >>