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2015年 04月 01日

マリアへのお告げ「受胎告知」

3月25日、カトリック教会では、マリアへの神のお告げ(受胎告知)が祝われます。絵画の《受胎告知》は、フラ・アンジェリコのフレスコ画が有名で親しまれています。

しかし受胎告知には、どんな意味があるのでしょうか。ルカによる福音書の1章26−38節につぎのようなことが書かれています。

天使はマリアに「恵まれた者、喜びなさい。主はあなたと共におられます」と。マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶はなんのことかと考えていました。すると天使は「マリア、恐れるこはない。あなたは神から恵をいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人となり、いと高い者と呼ばれる」と伝えました。いぶかっているマリアに天使は「聖霊があなたに臨み、いと高い方の力があなたを覆うでしょう。だから生まれる子は、聖なる者で神の子と呼ばれる」と告げました。マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおりに、この身に成りますように」と答えました。そこで天使は彼女から離れ去って行きました。

受胎告知はこのように行われました。受胎告知は、父と子と聖霊の三位一体の神のことを知らないと
理解できないかもしれません。

旧約聖書の時代に、ヤーウエの名で知られていた神は、イエスの出現によって三位一体の神であることが分りました。父である神は、人類を救うために子である神をイエスという名の救い主がこの世に人間の姿で現れることを計画しました。これがマリアへの神のお告げ「受胎告知」という神秘的なことなったのです。

受胎告知は、神が人間の姿でこの世に現れる最初の出来事で、「受肉」(incarnation=託身、人の姿をとること)ともいわれます。神が人間の身体をとって人々に接することです。福音記者ヨハネは、イエスのことを、神である御言葉(ロゴス)と呼んでいます。父である神の意志や思いを人間に語るのがイエスだからです。

受胎告知は、救い主たしてのイエスの地上での生涯の始まりです。メシア・イエスの「救い」は、受肉によって(人間となって)人類を救う十字架上の犠牲(死)と復活が可能になったのです。


フラ・アンジェリコは、《受胎告知》のテンペラとフレスコ画で三つの作品を残しています。

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1432-33年頃 テンペラ板絵 コルトーナの司教美術館

大天使ガブリエルがマリアのもとに現れ、神のお告げを伝えています。マリアは敬虔な面持ちでガブリエルの方に身をかがめ、言葉を聞いています。円柱の上の円形枠には、乙女がみどりごが生まれることを預言した預言者イザヤが描かれ、また、左奥にはアダムとエバの楽園追放がが描かれ、人類の救い主の誕生の最初の告知を表わすこの絵の主題に相応しい絵になっています。

この《受胎告知》は、疑いもなく最初の偉大な作品であり、《受胎告知》の一連の作品の原型となっています。


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1441-43年頃 フィレンツェ、サン・マルコ修道院第3修室

このフレスコ画は、修道士たちの黙想や観想の助けとなる壁画で、そのために装飾的な形や豊かな色彩を避けて簡素に描かれています。民衆を教化するような華麗なコルトーナの作品とは大きく異なります。

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1450年 フィレンツェ、サン・マルコ修道院2階廊下

このフレスコ画は、わが国で一番よく知られている作品です。華麗なコルトーナの祭壇画とサン・マルコ修道院の修室に描かれた壁画との中間に位置するような作品です。落ち着きのある好ましい作品として親しまれています。








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by francesco1hen | 2015-04-01 23:30 | Comments(0)


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