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2016年 10月 15日

満勢さんの随筆『雑草』より (1)「おもてなし」

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             老いわれにルージュのみやげ雛の客



木村満勢(ませ)さんは、可愛いおばあ様です。フランス文学者 木村太郎氏の奥さまです。少女時代と娘時代を東京下町の裕福な家庭で過ごされたようです。晩年には三冊の随筆を上梓されました。細やかできめ細かい文体の素晴らしい随筆なので3編ほど紹介したいと思います。日本画もよく描かれました。三味線も。



           「おもてなし」


 人さまが訪ねて下さった時、冬は暖かく、夏は凉しげにと心がけること。何はなくとも冬は熱いお茶を出す。夏は先ず汗をかいていらっしゃるから、熱湯でしぼったおしぼりを出し、冷たいお茶をお出しする。ジュース等は甘くて後口が悪いから嫌な方もあるので。冷やしたお菓子にはやはりお茶のほうがよいと思われる。それを出されたお客のほうは、冷たい物は冷たいうちに頂くのが礼儀だ。せかく熱湯で絞った手拭いも温くなってから手を出し、食べないのかと思ったら冷やしたお菓子も生温かくなってから食べられたのでは折角のこちらの厚意が無になってしまいがっかり。遠慮も程々にした方がよいと思われる。
 おしぼりも冷蔵庫に入れておく方が世話がないが、冷たいので拭いた後はかえって暑く思われるようで、逆に熱いおしぼりの後は涼しく感じると私は思う。この頃は冷房車でみえる方は暑そうでないからそこのところは適当に。


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            満勢さんは日本画もよく描かれました。「青ぶどう」






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by francesco1hen | 2016-10-15 12:56 | Comments(0)


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