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2017年 08月 23日

キリスト昇天 最後の言葉「世の終りまで、いつもあなたたちと共にいる」        聖書の言葉シリーズ(12)         


「わたしは世の終りまで、いつもあなたたちと共にいる」                       

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        ジョット 〈キリストの昇天〉 (スクロヴェーニ礼拝堂の壁画)


マタイによる福音書は、キリストが昇天するときの最後の言葉をつぎのように記しています。

「あなたたちは行って、すべての国の人々を弟子にしなさい。そして、父と子と聖霊のみ名に入れる洗礼を彼らの授け、わたしがあなたたちに命じたことを、すべて守るように教えなさい」。

そして最後に、  「わたしは世の終りまで、いつもあなたたちと共にいるのである」。 記しています。
                               (マタイによる福音書 28章19-30節)

「父と子と聖霊のみ名に入れる」の(み名に入れる)という表現は、名は、名そのものを表わしています。したがって「入れる」は、「神の本性に与らせる」という意味になります。つまり「神そのものに入れる」「神と一つになる」ことです。それが、信仰に入る「洗礼」です。


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               ロマネスク時代の「キリストの昇天」の挿絵 (素朴さを感じます)


「いつもあなたたちと共にいる」にちなんで、マタイによる福音書の1章19−25節の言葉が対照的であることを見ましょう。


ヨゼフは、婚約していたマリアが身ごもっていたのでひそかに離縁しようかと思っていました。ヨゼフがこのように考えていると、天使が夢に現れて言いました。

「ダヴィでの子孫ヨゼフよ、妻マリアを家に迎えるのを恐れるな。その胎内に宿されているのは、聖霊によるのである。マリアは男の子を産む。あなたはその子をイエスと名づけよ。その子は自分の民を罪から救う方だからである」と。これは預言者をつうじて言われたことが成就するためである。預言者は言っている。

「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産むであろう。その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」と。

「インマヌエル」は、「神はわれわれと共にいます」という意味です。

昇天のときイエスが残した言葉「わたしは世の終りまで、いつもあなたたちと共にいる」は、イエスがいつも「インマヌエル」であることを明らかにしています。マタイによる福音書の始めと終りは、不思議にも同じような言葉があることに気が付きます。


「イエスと名づけなさい」の「イエス」は、ギリシア語化された名前です。ヘブライ語では、「ヨシュア」という、よくある男の子名前です。その意味は「神ヤーウェは救う」です。 ヨシュア = イエス です。



                             *




  ついでに加えると、「キリスト」は、ギリシア語化された言葉で「救い主」という意味です。

  ヘブライ語やアラム語では、「マシア」「メシア」で、これがギリシア語化されて「キリスト」になりました。

  日本では「救い主キリスト」と、わかりやすく表記されます。

  しかし、意味的には、「救い主・救い主」や「キリスト・キリスト」になりますね。(^_~)/。

                     

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           ジョット 「世の終り最後の審判」(部分)  (スクロヴェーニ礼拝堂西の壁画)

            この部分は別名で「父の右座のキリスト」です。








by francesco1hen | 2017-08-23 12:15


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