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家田足穂のエキサイト・ブログ

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2017年 09月 18日

ジョットによる「キリストの生涯とその福音の約束」(1)


《 三人の偉大なイタリア人 》

13・14世紀のイタリアは、3人の偉大な人物を生みだしました。それは、清貧の聖人アシジのフランチェスコ と 詩人ダンテ と 画家・建築家のジョットです。

聖フランチェスコは、二人に大きな影響を与えました。ダンテは、その『神曲』の中で聖フランチェスコをしばしば讃えています。ジョットは、いくつかの《聖フランチェスコ伝》を残しています。また、ダンテは、友人ジョットのために、その錬獄編第十一歌で「チマブーエは画壇の不朽の地位を保とうとした。今やジョットが登場して人気を博するようになると、チマブーエの名声はかすんでしまった」と歌っています。そして、ジョットは、美しいダンテの横顔の肖像を残しています。

ダンテとジョットが活躍した クワトロチェント=14世紀は、イタリア・ルネサンス初期の新しい時代です。「キリストに最も近づいた画家」といわれたジョットの画業は、《荘厳の聖母子》《キリストの生涯》《聖フランチェスコ伝》などのフレスコ画が代表的な作品です。


                             *
              



これから紹介するのは、北イタリア パドヴァのスクロヴェー二礼拝堂に描かれた「キリストの生涯」の壁画です。スクロヴェーニは、パドヴァの悪名高い高利貸しでした。それで彼の死後、息子が礼拝堂を神にささげて、父親の罪滅ぼしをしたと言われています。

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           スクロヴェーニ礼拝堂の正面外観(西に面しています)



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祭壇から見た内部「最後の審判」の壮大な壁画が見えます。


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天空が描かれた天井  中央には パントクラトール「天地万物の支配者」が描かれています。


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              入口から見た内部正面 (中央奥は祭壇)



[ 受胎告知から神殿の少年イエスまで ]

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               「受胎告知」する大天使ガブリエル

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         大天使ガブリエルから「お告げ」を受ける処女(おとめ)マリア

受胎告知によって、神が人間の体をマリアから受けて人の世に住むようになりました。
このことを「受肉」incarnation といいます。「託身」ともいいます。


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            上は「幼子イエスの降誕」  (下は「最後の晩餐」)


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                幼子とその母マリアとヨセフ

幼子はヨシュアと名付けられました。ヘブライ語でヨシュアは、よくある名前で「神は救い」という意味で、ギリシア語では「イエソス」、これがイエスと言われるようになりました。


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         東方の三人の博士の礼拝(マギの礼拝)ー 主の公現


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         エジプトへの避難(ヘロデ王の嬰児虐殺を避けるため)

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            マリアの厳しい表情が印象的です。


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         ヘロデ王による嬰児虐殺

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             イエスの神殿奉献(エルサレムの神殿で)


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          エルサレムの神殿で学者たちと話す少年イエス(12才のとき)


ルカによる福音書は、神殿で学者たちと話したことがあってからのことを、「それからイエスは、両親とともにナザレに下って行き、二人に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをことごとく心に留めていた。イエスは知恵もまし、背丈も伸び、ますます神と人に愛された」と記述しています。


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イエスの誕生からヨルダン川で洗礼者ヨハネからイエスが洗礼を受けるまでを、イエスの私生活としています。イエスが洗礼を受けてからは、イエスの公生活と言います。つまりイエスが世に出て福音を宣教する時代が始まります。
















by francesco1hen | 2017-09-18 22:16


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