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2011年 10月 03日

漢字の面白さと意味の深さ(2) 香


[ 香 ]


10月は菊薫る季節です。秋になると花も実も香ります。まず、キンモクセイが香を放ちます。秋が深まれば銀杏(ぎんなん)が香ります。香はものの「よさ」をよく表わしています。
この頃は滅多に聞かないことばですが、「沈香も焚(た)かず、屁(へ)もひらず」(すぐれた事もしないが、害もしない、平々凡々なことのたとえ)があります。香はよいもの、優れたもののたとえになっています。沈香に親しむことは高雅な愉しみです。この優良品は伽羅(きゃら)です。『枕草子』では宮中の女性が着物に香を焚き込めることを「追い風ようい」と言い、その優雅さを評価しています。


香 の元の字は、黍(しょ)と日(えつ)の組み合わせ。黍(きび)を神にすすめ、祝詞をささげるとその黍の香ばしい香は神の心を動かす。香は「かおり、よい匂い、高雅なもの、美しいもの」のたとえになっています。


珍しい用例は、高雅なものをたとえて「香魂」(美しい人の魂)、「香夢」(美しい花などの夢)、
「残香」(残り香、つまり、追い風ようい)などがあります。


女の子のなまえで 香(かおり、かおる) があります。美しい名前の一つですね。このほかにも香という字を入れた美しい名前は、香織、香穂、智香、春香、里香 などたくさんあります。



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日本画家 東山魁夷が愛した御射鹿池の奥ゆかしさが感じられます。




                  ***



    わたしはぶどうの木であり、わたしの父は栽培者である。
    わたしにつながれていて、実を結ばない枝はすべて、父がこれを切り取られる。
    しかし、実を結ぶものはすべて、もっと豊かに実を結ぶように、
    父がきれいに刈り込んでくださる。

                         (ヨハネによる福音書 15, 1-2 )
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by francesco1hen | 2011-10-03 22:55 | Comments(0)


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