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2011年 10月 06日

漢字の面白さと意味の深さ(5) 希と願

この初夏、大きな手術をうけた入院中に理学療法士の夏希という人の指導を受けました。秋になって、ブザンソン世界指揮者コンクールで垣内悠希さんが優勝しました。希は願いにも通じます。それでこの二つの字を調べてみました。


[ 希 ] 希は、すかし織の布の形です。上のメは交(こう)。交はその織り方で、下の巾が麻の布です。もと希(まれに数すくなくめずらしい様子)の意味で用いられていましたが、それは布の織り目が粗いからであろうと言われています。のちに希(まれ)の意味は稀(き)を使うようになり、希は「ねがう」の意味に用いられるようになりました。用例は、(稀)希少、希薄、希有(けう=めったにないこと)。
もっともよく使われるのは希望です。

希望のはんたいは絶望。太平洋戦争後の1940年代に、キルケゴールの『絶望は死に至る病である』という訳書がでました。これに触発されて、わたくしは《絶望を超えて》という題名の油絵を描いたことがあります。それから、ずいぶん後になって「希望と喜び(spes et gaudium)」という素晴らしい言葉に出合いました。希望の向こうには愛があります。愛は喜びですね。


[ 願 ] 原と頁の組み合わせ。古い文献では「大きな頭なり」と、また「思うなり」とあります。深く思うことから「ねがう」という意味になったと考えられています。原の下に心を付けた字には「つつしむ」という意味があり、頁(けつ)は、古い象形文字で神を拝む人の姿であるから、願は
つつしんでお願いする意味の字であろうと言われています。用例として、願望、祈願、哀願、悲願などがあります。

人間の魂からの願望は何処に向けられているのでしょうか。究極的には[永遠の命]ではないでしょうか。それを祈願している人々は大勢いると思われます。悲願(ぜひとも達成しようとする心からの願い)している人々もいます。



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奥蓼科の風景です



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          あなた方がわたしの愛のうちに留まっており、
          わたしの言葉が、あなた方のうちに留まっているなら、
          望むものは何でも願いなさい。そうすれば、かなえられる。

                    (ヨハネによる福音書 15 , 7 )

 
 
 イエスの言葉で、いちばん大切なものは、最後の晩餐のときに話した「新しい掟」です。
 「わたしがあなた方を愛したように、あなた方が互いに愛し合うこと、これがわたしの掟である。
 友のために命を捨てること、これ以上の愛を人はもちえない」という有名な言葉です。 
 



   
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by francesco1hen | 2011-10-06 11:05 | Comments(0)


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