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家田足穂のエキサイト・ブログ

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2011年 11月 19日

(5)《メサイア》の音楽とその楽曲編成 3

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フラ・アンジェリコ  ノリメ・タンゲレ(わたしに触れるな!)
           復活後、マグダラのマリアに現れたキリスト


第三部 「 死者の復活と永遠の生命 ー 愛の完成 」の楽曲編成

第14楽曲群 キリストの贖罪とキリストを信ずる者の復活  [ A / C ]
 第45曲「わたしは知っている。わたしを贖う方は生きておられる」  
                     (キリストとわたしたちの絆)  ソプラノ A
 第46曲「死が一人の人によって来たのだから」(キリストを信ずる者の復活) 合 唱 C

第15楽曲群 死者の復活と永遠の生命を解き明かす  [ R / A / R / D / C ]
 第47曲「わたしはあなたがたに神秘を告げます」(死者の復活の神秘を告げる)
                                      バ ス R
 第48曲「ラッパが鳴るとともに死者は復活して朽ちない者とされ、
      わたしたちは変えられます。」(終末における死者の復活)     バ ス A
  第49曲「そのとき、聖書に書かれていることばが実現するのです」
                    (朽ちることのない復活のからだ)  アルト R
 第50曲「死よ、お前の勝利はどこにあるのか」
                 (復活における死に対する勝利) アルトとテノール D
 第51曲「神に感謝しよう」(勝利を賜る神への感謝)            合 唱 C
 
第16楽曲群 メシアによる救いの完成  [ A / C ]
 第52曲「もし神がわたしの味方であるなら」(神の愛による輝かしい復活) ソプラノ A
 第53曲「その血で神のために屠られた小羊は」
                  (愛の完成における神への賛美とアーメン)合 唱 C


愛の完成における「神への賛美とアーメン」をテーマとする最終合唱、第53曲は、玉座に座っておられる方、神として十字架の贖罪によって人間を救ったメシアを代々限りなく感謝を込めて賛美します。この曲の限りない賛美は、音楽によって賛美というものが具現された素晴らしい例であると言えます。
曲終の《アーメン・コーラス》は、独立した一つの楽曲とみることができるというほどの豊かな内容をもっています。その内容というのは、テキストの「アーメン」の一語は、《メサイア》の全体が歌いつづけて来た全ての主題、キリスト教信仰内容の全て(Christian Vision)を「確かにそうです」と肯定し、「信仰宣言」するという意味をもっていること、そしてこの一語のテキストによる《アーメン・コーラス》が、重層的に構築されて来た《メサイア》の全体像に対応しながら、それを完璧に包含するほどの、多彩で究極的な音楽内容をもっている一大合唱フーガになっていることです。

第53曲のより広く、より高く、天空のかなたに響きわたる賛美と感謝の声は、時空を超えた神秘の領域に広がり、限りない神秘のうちに包まれて行きます。この合唱こそ、人間な憧れの究極である無限・永遠への到達 ー 「愛の完成」が、感じられるような合唱であるということができます。


(5)《メサイア》の音楽とその楽曲編成 3_b0221219_1531224.jpg

《アーメン・コーラス》の世界!

by francesco1hen | 2011-11-19 15:48


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