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家田足穂のエキサイト・ブログ

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2012年 03月 11日

[ 3 ] インド人の挨拶 「ナマステ!」と 南無 そして平和・平安

(1)インド人の挨拶「ナマステ!」の意味

「ナマステ!」というヒンドゥー語の挨拶は、サンスクリット語にさかのぼります。その意味は「あなたを信頼しています」「どうかよろしくお願いします」になります。このあいさつは一日中おなじことばで交わされます。お互いの信頼のうちに挨拶を交わすというすばらしい挨拶であるといえます。


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「ナマステ!」の挨拶をするインド人
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            ガンジス川左岸に位置する最大の沐浴場 ワーラーナシーにおける沐浴(ベナレス)







(2)ヒンドゥー教徒の願い、輪廻からの解脱

ところで、ヒンドゥー教徒は何を願っているのでしょうか。一般にダルマ(法)と実利と愛欲を三大目標にし、究極的には輪廻からの解脱を願っています。

あらゆる行為は必ず業(ごう・カルマン)として潜在的に蓄積され、すべてのものは生死を無限に繰り返すとされていますが、これを輪廻といいます。ヒンドゥー教徒は、この輪廻からの解脱・解放を最高の目標にしています。

古代インドでは宇宙の根本原理ブラフマンと人間個人アートマンの合一により、輪廻からの解脱がえられると考えられていました。現代インド人の間ではヴィシュヌ神(宇宙の維持)シバ神(宇宙の破壊)、そしてブラフマン神(宇宙の創造)が信仰されています。

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         ヴィシュヌ神  現代はこのように描かれています。



(3)日本におけるナマステ・南無は、成仏への願い

わが国では、とくに初対面の人に「どうかよろしくお願いします」と挨拶します。インドの「ナマステ!」とよく似ています。しかし、もっと古くから、平安時代に浄土教が入ってきてから使われていました。南無阿弥陀仏の「南無」は、ナマステが漢訳され、それがそそのまま使われました。

「南無阿弥陀仏」は阿弥陀仏に帰依し、その救いを願う念仏です。救いとは成仏することです。仏になることは真理を悟ったものになる、つまり仏と同じになることです。「南無阿弥陀仏」を唱えることによって「仏と同一になる」と信じられています。成仏、仏となりたいという願いが「南無」ということになります。

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                   描かれた阿弥陀如来   


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如来とは、真理から来たもの、また、真理に達したものという意味があります。また、真理を悟ったものを仏陀、仏といいます。

釈迦が真理を悟り、仏陀となったとき涅槃寂静の境地に入ったと言われています。涅槃・ニルヴァーナの現代語訳は「絶対の安らぎ」です。寂静・シャンティは「平和・平安」です。





[補遺] 南無妙法蓮華経 国土草木悉皆成仏 という「題目」があります。この題目を唱えれば、国土の山河、草木も皆ことごとく仏になる,という意味です。
これは自然との同化・一体化を理想としている日本人独特の考え方であるといわれています日本人は自然を大切にしている民族であるということがよく表れているような気持ちがしますね。

by francesco1hen | 2012-03-11 17:07


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