2015年 05月 08日
2015年5月17日(日曜日)は、《キリストの昇天の主日》です。 ジョットによる「キリストの昇天」 キリストの復活から40日目にキリストは昇天しました。キリスト教国でない日本では、キリストの昇天が木曜日(40日目は5/10)であることから、その次の日曜日5月13日にそれを祝います。 キリストが昇天する直前に弟子たちに語った言葉が、使徒行録に書かれています。( 1 , 8 - 9) 「聖霊があなた方の上に降るとき、あなた方は力を受けて、エルサレムとユダヤ全土とサマリア、および地の果てまで、わたしの証人となるであろう」こう語り終わると、イエスは弟子たちの見ているあいだに上げられた。一むらの雲がイエスを包んで、見えなくした。 天に挙げられたイエスは、栄光のキリストとして父である神の右の座に着き、地上の教会に聖霊を送っています。 * 日本のカトリック教会では、今年2018年5月13日に、《キリストの昇天の主日》を祭日として祝います。 この日のミサの集会祈願では、キリストの昇天によって、永遠の命に入るわたしたちの未来のすがたが示されていることを意識して祈ります。 また、福音朗読を迎えるアレルヤ唱では、「アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終りまでいつもあなた方とともにいる。アレルヤ、アレルヤ!」と歌います。 そして今年の5・6月の日曜日は、キリスト教の重要な祭日が並びます。 * 5月20日の日曜日は、《聖霊降臨の主日》です。2000年前の聖霊降臨の日(ペンテコステ・五旬祭)に、聖霊が使徒たちの上にくだり、その日から使徒たちは、聖霊の力をえて雄弁にキリストの福音を、地の果てまで宣べ伝えるようになりました。 (使徒行録 1 , 8 ) ジョットによる《聖霊降臨》 したがって,聖霊降臨はキリストの教会の始まりを記念する大事な祭日となりました。 * 5月27日(日曜日)は、《三位一体の主日》です。父と子と聖霊の三つのペルソナは唯一の神であるというキリスト教の神を讃え、記念する祭日です。 ローマ時代の「三位一体」を表わす壁画 と グレコの「三位一体」を表わす絵画 使徒パウロは手紙の中で「主イエスキリストの恵、神の愛、聖霊の交わりが皆さん一同にありますように」(二 コリント 13 , 13 )と書き送りました。5世紀の古代最大の神学者アウグスティヌスは 大著『三位一体について』15巻を著しています。 これにちなんだエピソードがあります。ある日アウグスティヌスが疲れて海岸を散歩していると、少年が海から手で海水を汲んで砂をほって作った穴にその海水を入れていました。「なぜ、そんなことしてるの」と尋ねると、「ぼくは、海の水を全部ここへ入れるんだ」と答えました。「そんなことできないよ。バカだねー」。アウグスティヌスは後で反省しました。自分が三位一体の神について考えていることは、この少年と同じことをしているようなことだと。 三位一体の神は人間にたいへんちかい存在であるのですが、理性では完全に理解するこが出来ない、神秘的な存在でもあるのです。 * 6月3日(日曜日)は、《キリストの聖体の主日》です。最後の晩餐の夜、弟子たちとともに食事をしたときイエスは、パンを裂き、これはわたしの体である、と話して弟子たちに与えました。また、ぶどう酒の入った杯を、これはわたしの血の杯と言って、弟子たちに与えました。 レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」 弟子たち(人間)に別れるにあたって、自分の体を形見として残すために、聖体の制定を行ったと受けとめて、この後「ミサ」という、最後の晩餐と十字架の犠牲を記念するミサ聖祭が行われるようになりました。 クラシック音楽のジャンルでも、《ミサ曲》というものが広く聴かれています。 Kyrie. Gloria. Credo. Sanctus. Agnus Dei. の5曲を ミサ曲 といいます。 * 6月29日(金曜日)は、《聖ペトロ・聖パウロ両使徒の祭日》です。 グレコの「聖ペトロ・聖パウロ」 ロシア・イコンの「両使徒」 この日のミサの叙唱(praefatio) は、つぎのように歌われます。
聖なる父、全能永遠の神、いつどこでも主キリストによって、 賛美と感謝を捧げることは、まことに大切なつとめ。 聖ペトロ聖パウロの生涯に示された、あなたの導きをたたえ、心から感謝をささげます。 ペトロは使徒の頭として信仰を宣言し、イスラエルの小さな群れから初代教会をつくり、 パロはキリストの神秘を説き明かし、異邦の民の使徒となりました。 異なる使命を受けた二人は、キリストのもとに人々を一つに集め、 信仰の証しのために命を捧げました。 あなたの恵みをたたえるすべての天使と聖人とともに、 わたしたちは終りまでほめ歌います。 聖なるかな! 聖なるかな! 聖なるかな! 万軍の神なる主。主の栄光は天地に満つ。 天のいと高きところにホサンナ! ほむべきかな、主の名によりて来たる者。 天のいと高いところにホサンナ! 1985年6月29日には、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂で《使徒聖ペトロ・聖パウロの祝日荘厳ミサ》が、教皇ヨハネ・パウロ2世の司式、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮で、モーツアルトの《戴冠ミサ》が歌われ、一万人に及ぶ出席者が集まり荘厳い行われました。 この荘厳ミサのすべての状況は、全ヨーロッパにTVで中継され、大きな感動を呼んだと伝えられました。 * * * * * * * 「キリストの復活・昇天・聖霊降臨」について詳しく知りたい方は、2013・5・7のブログを。 ** 聖霊降臨につて詳しく知りたい方は、 2012 , 5 , 23の家田足穂のエキサイト・ブログ「6月8日は《聖霊降臨の主日》です」をご覧ください。
by francesco1hen
| 2015-05-08 09:35
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人間は、いいものに出合ったり、文化や宗教の深い意味を知ったり、よい事に出合ったりすると、それを共有したり、それを人に伝えて喜びあったりしたくなります。「宜有千萬」(よろしく千萬あるべし)、《 シャローム・平安!》を あなたに。 by francesco1hen カテゴリ
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