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2018年 07月 02日

不思議な旧約聖書の『知恵の書』と「詩編30番」

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               モーゼが『十戒』を授けられたシナイ山


  不思議な書物『知恵の書』

旧約聖書に収められている『知恵の書』は、紀元前1世紀(ある説によれば、
前2世紀)にギリシア語で書かれた著者不明の教訓書です。

著者はユダヤ人で、ギリシア哲学思想に精通し、旧約聖書にも明らかでした。
この『知恵の書』は、旧約聖書のうちで新約聖書と最も密接な関係をもっています。
それはこの書が、旧約聖書と新約聖書をつなぐような役割をもっていることです。

内容は多義にわたっていますが、ここでは、「死と生」に言及している個所を紹介します。
(知恵1章 13 -15. 2章 23 - 24.)



                         *



    
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「死海」とよばれる湖         



神が死を造られたわけではなく、        
命あるものの滅びを喜ばれるわけでもない。   

生かすためにこそ神は万物をお造りになった。  
世にある造られたものには価値がある。     
滅びをもたらす毒はその中になく、       
死の力がこの世を支配することもない。     
神の正しさは不滅である。           


神は人間を不滅な者として創造し、       
ご自分の本性の似姿として造られた。      

悪魔の妬みによって死がこの世に入り、     
悪魔の仲間に属する者が死を味わうのである。  




神の本性の似姿(imago Dei = image of God)は、
     本来、人間が神の永遠性に与る存在である根拠です。     
 
       このことから「人間は、神の目に貴く重んじられる」       
       という意味の深さが理解できると思います。           




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イエスが、福音を宣べ伝えはじめたガリラヤ湖



「詩編30」のことば


神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、
危うい命を救ってくださった。

滅びは神の怒りのうちに、いのちは恵みのうちにある。
夜が嘆きに包まれても、朝は喜びに明けそめる。

神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、わたしの救いとなってください。
  あなたは嘆きを喜びに変え、荒布を晴れ着に替えてくださった。


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善き牧者イエスと共にいる羊たち      




「この詩編30」は、〈いのち〉の与え主である神に信頼しながら歌われたものです。

滅びは神の怒りのいうちに・・・「滅び」と訳されている語は「一瞬」ともとれます。

新共同訳では「いっとき、お怒りになっても、命を得させることを御旨としてくださる」と訳しています。                            


そして、この詩編には、イエスの福音や十字架の救いのわざを思い起こすことができるかのような、言葉が見受けられます。                       


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by francesco1hen | 2018-07-02 15:04


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