2018年 07月 23日
「茶室にいたる露地口・露地・にじり口」と「命にいたる狭い門と細い道」 ー その比較 と 類似について ー 〔 露地口から茶室まで 〕 茶室にいたるまでの「場」の設定には重要な意味があります。いうまでもなく茶室のもつ意味は最も大きいのですが、茶室にいたるまでには、いくつかの重要な意味をもった「場」の設定が工夫されています。 茶室のある庭を「露地」といいます。非日常的空間である茶室とそれをめぐる庭に入るためには、まず「露地口」を通らなければなりません。 露地口は、日常的な空間と非日常的空間を区別するためのごく狭い入口です。 露地は「中潜」(なかくぐり)によって外露地と内露地に区別されています。 〔 命にいたる 狭い門 と 細い道 〕 聖書に「二つの門」や「狭い戸口」という個所があります。とくに有名なのは「狭い門」の所です。これは「露地口」と「にじり口」を思い出させます。 狭い門から入りなさい。滅びへの道は広く、そこに通じる道は広々としていて、そこから入る者は多い。しかし。いのちへの門は狭く、そこに通じる道は細くて、それを見つけるものは少ない。 (マタイ 12・13 -14 ) 「狭い門」と「露地口」、「狭い戸口」と「にじり口」は形の上でも、意味的にも似ています。「露地口」は普通の広い門ではなく、非日常的な「和敬清寂」の茶道の世界に入る狭い入口です。「にじり口」も最も大切な茶道の場「茶室」に入る戸口です。 「狭い門」は、実はイエスのことです。あるとき、イエスは「わたしは羊の通る門である。わたしを通って入るなら、その人は救われる」(ヨハネ10・9 )と言いました。 イエスの福音の第一声は「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて(考え方を変えて)、福音を信じなさい」でした。福音を信じた者の究極的結果は、「神の国」ー 神とともに在る「永遠の命」です。 「いのちへの門は狭く、そこに通じる道は細い」のです。 「茶室」にいたる「露地口・露地・にじり口」と同じように。 「中潜」にも意味があります。 イエスが旅にでようとしたとき、金持の青年が走りよって尋ねました。 「先生、永遠のいのちを受け継ぐためには何をすればよいのでしょうか」。 イエスは答えました。「律法を守りなさい」と。「これらのことは皆、小さい時から守っています」と青年。 イエスはこの真面目な青年を、じっと見つめて、愛情を込めて、言いました。 「あなたに欠けているものが一つある。行って、持っているものをことごとく売り、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を積むことになる。それから、わたしについて来なさい」。 青年はこの言葉を聞いて、悲しみ、沈んだ顔つきで去って行きました。多くの財産を持っていたからです。 「露地口・露地・中潜」は、ある意味で関門です。世間的な執着を捨て、ひたすら茶道の「和敬清寂」の世界を求めることが必要とされるのです。 イエスの門は、世間的な富よりも、より大切なことのみを求めているのです。 これに関してイエスは、「富を持つものが 神の国に入るのは、なんと難しいことであろう」。 さらに加えて「金持が 神の国に入るよりは、らくだ が針の穴を通るほうがもっとやさしい」と。 (マルコ 10・23 -27) 「にじり口」は、敵意や虚飾・雑念を捨て、純粋な「和敬清寂」茶道の世界に入る戸口です。 最も厳しい「狭い門」です。 これと同じように、福音(イエスの門)では、イエスに従うことが求められています。 イエスは群衆を弟子たちといっしょに呼び集めて、「わたしに従いたい者は、おのれを捨て、自分の十字架を担なって、わたしに従いなさい。 自分の命を救おうと望む者はそれを失ない、わたしのため、また福音のために、命を失うしなう者は、それを救う。たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったならば、なんの益があるだろうか」と語りました。 (マルコ 8・34 -36) 「神の国・永遠の命」への 門は狭く、そこに 通じる道 は細いのです。 「広い門・広い道」とは、現世的な 富の豊かさや、自己中心的な 快適なこと のみを求めることが、 「滅びへの道」になるのです。 * ヨハネによる福音書に、有名な言葉があります。 〔 道・真理・命 〕 「わたしは道であり、真理であり、命である。 わたしを通ってでなければ、 だれも父(である神)のもとに行くことはできない」。 (ヨハネ 14・6)
by francesco1hen
| 2018-07-23 11:44
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人間は、いいものに出合ったり、文化や宗教の深い意味を知ったり、よい事に出合ったりすると、それを共有したり、それを人に伝えて喜びあったりしたくなります。「宜有千萬」(よろしく千萬あるべし)、《 シャローム・平安!》を あなたに。 by francesco1hen カテゴリ
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